隠れ溺愛婚~投資ファンドの冷徹CEOは初恋の妻を守りつくす~
 茉結莉は背筋を垂直に正すと、シーンとして重苦しい空気の中、勇気を出して口を開いた。

「園子叔母さん、うちの株をMMファンドに売るって話は本当?」

 茉結莉の上ずった声に、園子は静かに顔を上げると「本当よ」と、感情のこもらない声を出す。

「どうして!? なぜそんな勝手なことを……!」

 茉結莉が思わず身を乗り出すと、園子がキッと三砂を睨みつけた。

「茉結莉ちゃんのためよ」
「私の?」
「そうよ。MMファンドが株の過半数を取得すれば、三砂さんはうちに興味がなくなって、手を引くでしょう? あなたは三砂さんと一緒になる必要もなくなるのよ」
「ど、どういうこと……?」

 戸惑う茉結莉に、園子は大きくため息をついた。

「おかしいのは、あなた達でしょう? 政略結婚なんて、いつの時代の話をしているの? 悪い噂の三砂さんに、茉結莉ちゃんは渡せないわ」

 園子の言葉に、茉結莉ははっと三砂と顔を見合わせる。
 もしかしたら園子は、三砂の世間の噂を信じ、茉結莉を守ろうとしてくれているのかも知れない。
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