電車の向こう側。【完結】
コンサートが終わり、
ホールの出口で人だかりができていた。
ファンたちがサインを求めて、結城聖のまわりにたくさんの人だかりが集まっている。
未来はその少し離れた場所で、ただ見つめていた。
(あれ…?…あの人……)
聖が顔を上げた。
その視線が、まっすぐ未来を捉えた。
一瞬で、時間が止まった。
周囲の音が消える。
世界の色が変わる。
未来と聖は、見つめ合ったまま暫く動けなかった。