解けない魔法を このキスで
「白石さん、おはようございます」
8時半になると、昨日の花嫁が笑顔でサロンに現れた。
なによりもドレスが気になっているらしく、真っ先に美蘭に声をかけてくる。
美蘭も笑顔で出迎えた。
「おはようございます。本日は誠におめでとうございます」
「ありがとうございます。あの、それでドレスは?」
「はい、整えてあります。こちらへどうぞ」
控え室に案内すると、掛けてあるドレスを見るなり花嫁は目を輝かせた。
「素敵! 背中の編み上げがとっても可愛いです。これなら披露宴でベールを外しても、自信を持って後ろ姿を見てもらえそう」
「ええ。それにこのドレスはビスチェタイプなので、編み上げた方が身体にフィットして、ズレなくて良いかと思います」
「そうそう、私もそれが心配だったんです。だけどこれなら安心。あー、良かった。ホッとしました。白石さん、本当にありがとうございました」
「いいえ、どうぞ素敵な日になりますように」
ヘアメイクのあと、お着替えの時にまた参ります、と言い残して、美蘭は控え室を出る。
ふうと肩の力を抜いていると、高良がやって来た。
「お疲れ様。どうやらお客様に喜んでいただけたようですね」
「はい。あとは実際にお召しになった時に微調整して、着心地良くしたいと思います」
「やれやれ。まだ微調整は続くのか」
「そうですね。微調整は続くよ、どこまでも」
「はははっ。それがあなたの列車の通常運転なんですよね」
「ええ」
二人で微笑み合ってから、バックオフィスに向かった。
8時半になると、昨日の花嫁が笑顔でサロンに現れた。
なによりもドレスが気になっているらしく、真っ先に美蘭に声をかけてくる。
美蘭も笑顔で出迎えた。
「おはようございます。本日は誠におめでとうございます」
「ありがとうございます。あの、それでドレスは?」
「はい、整えてあります。こちらへどうぞ」
控え室に案内すると、掛けてあるドレスを見るなり花嫁は目を輝かせた。
「素敵! 背中の編み上げがとっても可愛いです。これなら披露宴でベールを外しても、自信を持って後ろ姿を見てもらえそう」
「ええ。それにこのドレスはビスチェタイプなので、編み上げた方が身体にフィットして、ズレなくて良いかと思います」
「そうそう、私もそれが心配だったんです。だけどこれなら安心。あー、良かった。ホッとしました。白石さん、本当にありがとうございました」
「いいえ、どうぞ素敵な日になりますように」
ヘアメイクのあと、お着替えの時にまた参ります、と言い残して、美蘭は控え室を出る。
ふうと肩の力を抜いていると、高良がやって来た。
「お疲れ様。どうやらお客様に喜んでいただけたようですね」
「はい。あとは実際にお召しになった時に微調整して、着心地良くしたいと思います」
「やれやれ。まだ微調整は続くのか」
「そうですね。微調整は続くよ、どこまでも」
「はははっ。それがあなたの列車の通常運転なんですよね」
「ええ」
二人で微笑み合ってから、バックオフィスに向かった。