解けない魔法を このキスで
ところがそのドレスは、その後思わぬ影響を及ぼす。
当日のゲストの間で「なんて綺麗なドレス」と話題になり、SNSで一気に拡散されたのだ。
『どこのブランドのドレス?』
『オートクチュール?』
『私もこんなドレスが着たい』
友人のSNSにはそんなコメントが溢れて収拾がつかなくなり、なにかアナウンスをしたいと言われて美蘭は困った。
『個人的な友人に頼んだドレスなので、販売はしておりません』と載せてもらったが、それでもまだ話題になる。
挙句の果てには有名なドレスショップから『そのご友人を雇いたい』とまで連絡が来て、美蘭は頭を抱えた。
「まだ学生の身なのに、どうしよう」
そう未散に相談したところ、「だったら自分で起業すれば?」と思わぬ答えが返ってきて呆気に取られた。
だが未散はあれよあれよという間に手続きや準備を進め、「とにかく美蘭は、この一番熱烈なラブコールをくれてる人のドレスを作ってみて」と美蘭に言った。
相手とコンタクトを取り、実際に会って希望を聞き、サイズを測って1からデザインする。
挙式当日ももちろん最後まで微調整し、ベールを着ける位置なども、ヘアメイクさん任せにせずにこだわった。
「ありがとうございます! 夢のような結婚式になりました。一生の思い出です」
感激の面持ちでお礼を言われ、最後に一緒に撮った記念写真は、もちろんコルクボードに飾ってある。
そうやって手探りで始めた仕事だったが、専門学校を卒業後は未散と二人で本腰を入れて取り組んできた。
未散の知り合いでフランスやイタリア、イギリスに住んでいる友人も協力してくれ、現地の良質なシルクやレースを見繕って送ってくれることもあり、自分たちのこだわりを大切にしながら低価格でオーダーメイドのドレスを作り出していた。
当日のゲストの間で「なんて綺麗なドレス」と話題になり、SNSで一気に拡散されたのだ。
『どこのブランドのドレス?』
『オートクチュール?』
『私もこんなドレスが着たい』
友人のSNSにはそんなコメントが溢れて収拾がつかなくなり、なにかアナウンスをしたいと言われて美蘭は困った。
『個人的な友人に頼んだドレスなので、販売はしておりません』と載せてもらったが、それでもまだ話題になる。
挙句の果てには有名なドレスショップから『そのご友人を雇いたい』とまで連絡が来て、美蘭は頭を抱えた。
「まだ学生の身なのに、どうしよう」
そう未散に相談したところ、「だったら自分で起業すれば?」と思わぬ答えが返ってきて呆気に取られた。
だが未散はあれよあれよという間に手続きや準備を進め、「とにかく美蘭は、この一番熱烈なラブコールをくれてる人のドレスを作ってみて」と美蘭に言った。
相手とコンタクトを取り、実際に会って希望を聞き、サイズを測って1からデザインする。
挙式当日ももちろん最後まで微調整し、ベールを着ける位置なども、ヘアメイクさん任せにせずにこだわった。
「ありがとうございます! 夢のような結婚式になりました。一生の思い出です」
感激の面持ちでお礼を言われ、最後に一緒に撮った記念写真は、もちろんコルクボードに飾ってある。
そうやって手探りで始めた仕事だったが、専門学校を卒業後は未散と二人で本腰を入れて取り組んできた。
未散の知り合いでフランスやイタリア、イギリスに住んでいる友人も協力してくれ、現地の良質なシルクやレースを見繕って送ってくれることもあり、自分たちのこだわりを大切にしながら低価格でオーダーメイドのドレスを作り出していた。