冷酷社長の極上笑顔は私が独り占めさせていただきます
 建築士と聞いて、一瞬頭の中に「?」が浮かんだ。この男性の軟派な感じから、どんな仕事をしているのか少しも想像できなかったから……。
 ただ社長の幼馴染という点には納得したので「そうですか」とにこやかに答えた。
 
「いや、幼稚園から一緒だよ。コイツの初恋の女の子も知ってる。確か……」
「お前、そういうどうでもいいことは言うな」
「ま、そうだな。それより彼女に俺がどんな仕事をしてるか説明してあげてよ」
「説明したいなら自分でしろ」
 
 私は二人のやり取りを笑顔で聞いていた。
 社長が誰かと打ち解けて話している姿は珍しい。本当に幼馴染なんだ、と思った。
 
「自分で自分の仕事を説明するのはなんだか照れるだろ。お前だって自分で『私が社長です』なんて言いたくないだろうが」
 
 幼馴染の言葉に、社長は腕組みをし、上目遣いで凄んで見せた。
 私の背筋にひやりとしたものが滑り込む。
 息を潜めて成り行きを見守っていると、意外なことに突然社長が私の顔を見た。
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