コミュ障な元ヤンくんに今日も溺愛されてます。
「どうかな!?」
ワンピースの裾を軽く持ち、お姫様のように屈んで見せる。
「いいじゃん。
さっきのより似合ってるな。」
「ほ、ほんと…!?」
匡が優しく笑って頷くから、
私の心臓はきゅっと縮こまる。
「じゃあ…買ってこよっかな。
ありがとね。」
「ああ。」
服を脱ぐために再び試着室のカーテンを閉める。
「手伝いいる?」
麗香に声をかけられ、はっとなる。
「アハハ…いや、だ、大丈夫…だよ。」
「都、あんた…」
麗香は何か言いかけたが、
「外で待ってるね」
と言葉を切り替え、カーテンの外に出ていった。
私はふーっとため息をつく。
匡の優しい笑顔や甘い言葉はズルい。
そもそも顔が整っていらっしゃる。
あと普段あんまり笑わないから、ギャップが…!
ふと試着室の中の鏡を見て、驚いた。
顔、真っ赤だ…
私は冷静になり、ワンピースから着替えて
急いで顔の火照りを冷ました。
私が試着室から出ると、すぐそばで匡が待ってくれていた。
「これ、買うことにするよ。」
「いいと思うよ。」
「あ、レジ混んでるし早く行くね。」
「都、これは?」
そう問いかけられ、匡の手元の服を見るためにそばに近づく。
『お前の距離感おかしいよ』
突如脳裏をよぎった言葉で、
私は慌てて匡との距離を離した。
「都?」
「あ、ハハ…か、買ってくるね…。」
匡の顔を見ないようにして、
私は逃げるようにレジに向かった。