それも、初恋。。
橘の独り言

バスケのすげぇヤツ

 汐見泉を初めて目撃したのは、小6の秋だった。
 異様に清々しい秋晴れの日曜日だったことを覚えている。

「なあなあ、日曜に総合体育館でやるミニバスの試合、一緒に行ってくれよー。晴美ちゃんが出るんだって~」と直太にせがまれたのだ。

「お前、前島が好きだったんじゃねーの?」
「そんな過去の話持ち出すなって」
「過去って、つい先週のことだろ」
「フラれたの~」
「またかー」

 直太は惚れっぽい。「笑いかけられた~」とか、「鉛筆拾ってくれた~」とかで好きになる。
 好きになったら猪突猛進。すぐにコクって、すぐにフラれていた。
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