それも、初恋。。
 直太、こと立木直太とは、小1の入学式に名前の順で席が隣同士になってから、なんと6年間ずっと同じクラスだった。
 進級するたびに苗字が近いせいでいつも近くの席に座っている。

「よっ」と、愛嬌いっぱいの子ザルみたいな人懐っこさで笑いかけてきて「オレら親友なんだぜ、なっ?」と、クラス替えのたびに近くの席の奴らにどや顔で言うので、直太はいつの間にか、俺の公然の親友になっていた。

 まあ、ちっちゃくて、ちょこまかしていて、感情丸わかりでちょっとアホなペットっぽくて、見ていて飽きない面白いヤツだから、別に嫌じゃないけど。

 直太は盛り上げ役で男子に人気があるヤツだ。
「うるさい」「ないよね~」と女子には不評だけど。

「いやぁ~捨てる神あれば拾う神ありだぜ! このタイミングで晴美ちゃんに『良かったら橘君と見に来てねーっ』つって、可愛く誘われたんだって! コレ脈ありじゃね? ありだろ? な、だから頼む! オレも彼女欲しいの~」

 と、せがまれ、まあ暇だったし総合体育館までミニバスの試合を観戦しに行くことにしたのだった。
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