うちの生徒会長は今日も読めない
ようやく沈黙を破った敬人は、無表情のまま目を逸らした。
意外な反応に駿は眉をひそめる。
(あれ。開き直るかと思ったけど)
そのまま様子を見ていると、敬人はしばらく逡巡した末にスマホを取り出した。
どうやら誰かに電話をかけているようだ。
静かな生徒会室に、コール音が響く。
「ミチル? 今どこだ?」
敬人は、いつも路留と話すときにだけ見せる、心から嬉しそうな笑みを浮かべる。
「チョコ? ああ、木坂が食ってるマカロンだろ」
断片的に聞こえる路留の声が、今すぐ生徒会室に戻ると言っている。
敬人はそんな彼女に対して、穏やかな口調のまま言った。
「なあミチル……別れるか、オレたち」
予想していなかった言葉に目を見開いた。
違う。そういうつもりではなかった。
ただもう少し路留の気持ちを大切にしてほしい。そう伝えたいだけだった。
「おい敬人、何を──」
敬人はそんな駿には目もくれず、さらに重ねる。
「今日まで色々と悪かったな。生徒会も明日から来なくていい」