うちの生徒会長は今日も読めない




「おいおいネーチャン、どこみて歩いてんだ? 俺の一張羅が台無しじゃねえかよ?」





振り返るとそこには、大きな体格のいかにもな見た目をした男の人。

こちらを睨みつけるようにして見下ろしていた。




「ひっ、す、すみませ……」


「ああ? 聞こえねえな?」




男の人の手にはコンビニのコーヒー。その中身をわたしとぶつかった拍子にぶちまけてしまったらしい。

真っ白なシャツに黒く大きなシミが広がっている。




「え、えっとその、クリーニング代を……」


「100万すんだよこのシャツ。ネーチャンに払えんのか? ああ!?」




男は唾を飛ばしながらまくしたてる。


……どどどどど、どうしよう!?

ああもう、これが治安が悪いという意味なんだ。怖いとは思っていたけどどこか他人事だった。


私はパニックになりながら、必死に謝罪の言葉を重ねる。

だけど、相手は許す気なんてさらさらなさそうで。




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