うちの生徒会長は今日も読めない
昔、一夜の過ちを犯した相手との間にできた子ども。
相手の男は憎んだけれど、子どものことは大切に思っている。
子どもにはどうしても父親が必要だと思い、一時期結婚していた時期もあったが、上手くいかなかった。
だから今はこうしてこの街で働きながら、女手一つであの子を育てているのだ。
そう事情を話す愛美からは、心の底から息子のことを愛しているのが伝わってきた。
……母親の愛情なんてものをこれっぽっちも知らなかった当時の秋螺は、そう感じてしまった。
「会わせてよ、息子さんに」
惚れた女の愛する息子に会ってみたいという心からの思いが半分、息子に興味を示すことでさらに愛美の気を引こうという下心半分。
兎にも角にも、秋螺はそうやって敬人との対面を果たした。
「あんたが、母さんの今のカレシ?」
敬人は、秋螺がぼんやりとイメージしていた10歳の少年とはだいぶ違っていた。
子どもらしさというものがまるでなく、達観したような表情が妙に板についていた。