うちの生徒会長は今日も読めない
「何で来た、だ? そんなもん、家族だからに決まってんだろ」
秋螺は出口に向かって一歩一歩足を進めながら言った。
「大事な息子が危険に晒されてたら、何を犠牲にしても助ける。それが父親ってもんだろ」
「……そうなのか?」
「……多分な。知らねぇよ俺も」
「何だよそれ」
「ま、そうは言っても俺は自分を犠牲にする気もないしな。死なねぇぞ、俺ら、二人とも」
敬人は何も言わなかったが、しがみつく手に力がこもった。
初めて、義理の息子と気持ちを通じ合わせることができたように思えた瞬間だった。
◇
「で、無傷とは言わないまでも、二人して生きて出てこられたわけだ。めでたしめでたし」
落ち着いた口調で話していたアキラさんは、そう言って大きく息を吐いた。
すっかり聞き入っていたわたしは、とっさに言葉が浮かばなかった。
「それがきっかけで敬人は一気に心を開いてくれてな。ま、代わりに愛美さんからは捨てられたけど」
「え、息子の命を助けたのにですか?」