悪魔的生徒会長が妙に甘いのですが……。



爽やかに笑いなさる。笑いごとじゃないと思うのだけど本当に。

わたしは何も見てなるものかと両手で目を覆う。

会長はもう一度声を出して笑い、それからおもむろに、わたしの右手をつかんで無理やり顔から引き剥がした。




「じゃあ、こういうのはどうだ?」




後退りしようとしても、そうはさせまいとばかりに強く引き寄せられる。




「生徒会会計になるのが嫌なら、オレの彼女になる」


「はい?」



 
……ええっとですね、ごめんなさい意味がわかりません。
 

恐らく今のわたしは、目を点にして口は半開きという馬鹿みたいな顔をしていることだろう。

彼女ってアレですか? 噂に聞く恋人ってやつのことでしょうか? それってそんなノリでなるものなのでしょうか?


しかしわたしも馬鹿ではない。少し考えてハッとした。


わかったぞ。これアレだ。

無茶な要求を並べられるとついマシな方の選択肢を選んでしまうという心理学的なやつ(?)を利用しようとしてるんだ。



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