悪魔的生徒会長が妙に甘いのですが、これはどういうことでしょう??




誰にもぶつからないよう早足で歩きつつ(相手が避けてくれることを期待してはいけない。何故なら存在に気付かれないから)、それにしても今日は天気が良いな。なんて窓の外を見る。


日本史のおじいちゃん先生は居眠りしてるかもしれない……と思いながら社会科準備室の扉を開ければ、その予想はばっちり当たっていた。


掃除に来る生徒を窓際の日当たりが良い特等席に座って待っていた思われる先生は、わたしが戸を開けた音ではっと顔を上げた。




「おや原さん。今日の当番は原さん一人かい?」


「へへ、まあそんなとこです」




ちょっとうつむきながらそう答えつつ、モップと雑巾を取り出す。

そして、それを手伝おうとモップを手にした先生を制止した。




「先生。掃除はわたしがやるのでゆっくりしていてください!」


「でも原さん一人に任せるのは悪いよ」


「大丈夫です! 決してサボったりいたしませんからっ!」




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