魔法で恋を操る女になった私は、すべてを奪った帝国に復讐する
7話 闇より目覚めよ、傾国の魔女
その時だった。背後で、枯葉を踏みしめる音。
振り返った瞬間、黒衣の男たちが現れた。
手には短剣。目は、殺意で濁っていた。
「‥‥‥‥追手?」
逃げなければ、殺される。
そう理解するより早く、私は森の奥へと駆け出していた。
枝が頬を裂く。足元の根が転ばせようと絡みつく。
心臓が痛いほど脈打ち、息がうまく吸えない。
なぜ。
なぜここまでされなきゃいけないの?
私は何もしていない。ただ、彼の隣にいただけ。
ただ、好きになっただけ。
それが、そんなに罪だったの?
怒りと絶望が胸の奥でごちゃ混ぜになって、涙があふれて止まらない。
追ってくる足音が、すぐ後ろまで迫ってきている。
「アレクシス」
名前を呼んだその瞬間、足を滑らせ、地面が消えた。
視界がぐるりと反転し、私は崖の縁から、空へ――闇へと落ちていった。
落下の衝撃は、不思議なほど痛みを伴わなかった。
風の音も、地面の冷たさも、遠くに霞んでいく。
ただ指先――アレクシス先輩から託された指輪だけが、熱を持って燃えるように脈動していた。
朦朧とした意識の中で、それが光を放った。
まばゆい銀の光が、私の身体を包んだ。
どこかで聞こえた、女の声。
=選ばれし者よ。汝の悲しみ、怒り、すべてが力となる。我を受け入れよ=
視界が白く塗りつぶされ、そしてゆっくりと、意識が戻っていった。
振り返った瞬間、黒衣の男たちが現れた。
手には短剣。目は、殺意で濁っていた。
「‥‥‥‥追手?」
逃げなければ、殺される。
そう理解するより早く、私は森の奥へと駆け出していた。
枝が頬を裂く。足元の根が転ばせようと絡みつく。
心臓が痛いほど脈打ち、息がうまく吸えない。
なぜ。
なぜここまでされなきゃいけないの?
私は何もしていない。ただ、彼の隣にいただけ。
ただ、好きになっただけ。
それが、そんなに罪だったの?
怒りと絶望が胸の奥でごちゃ混ぜになって、涙があふれて止まらない。
追ってくる足音が、すぐ後ろまで迫ってきている。
「アレクシス」
名前を呼んだその瞬間、足を滑らせ、地面が消えた。
視界がぐるりと反転し、私は崖の縁から、空へ――闇へと落ちていった。
落下の衝撃は、不思議なほど痛みを伴わなかった。
風の音も、地面の冷たさも、遠くに霞んでいく。
ただ指先――アレクシス先輩から託された指輪だけが、熱を持って燃えるように脈動していた。
朦朧とした意識の中で、それが光を放った。
まばゆい銀の光が、私の身体を包んだ。
どこかで聞こえた、女の声。
=選ばれし者よ。汝の悲しみ、怒り、すべてが力となる。我を受け入れよ=
視界が白く塗りつぶされ、そしてゆっくりと、意識が戻っていった。