転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「かといって、第一王子殿下にそんな怪しげなことをさせるわけにはいかない。
総騎士団長の令息は、現在西の国境にある砦で武者修行中で、急いで呼び寄せても王城に到着するまで一月以上はかかる。
頼みの綱のアンゼルム大公も、カリナは全く好みでないということで私と同じように絶対無理なんだそうだ」
カリナの容姿は、バルテン王国でもかなり可愛らしい部類にはいる。
それなのに、あのふるまいのせいで男性からの人気は低いのだそうだ。
日本で私の後輩だった時は、仕事はきちんととこなしていたし、TPOもわきまえていたのに。
ヘンリックたちを篭絡するのに必死で、ああなってしまったのだろうか。
「カリナの恋人とされる四人は、女に好まれる容姿をしているという事以外に共通点がない。
本来ならその四人のなかに含まれていないルーカス様とエルをほしがったことからも、男なら誰でもいいのではないかと推測される。
それで……整った顔をした騎士崩れの役者を、騎士と偽ってカリナにあてがって、様子を見るということになった。
その役者の魔力かなにかが上がったのが認められたら、独身の騎士の中から希望者を募ることになる。
カリナは中身はアレだが容姿は整っているし、回復魔法の使い手でもあるから妻に望むものも少なくないはずだ。
だが……」
ヘンリックは苦しげな顔で口ごもった。
「だが……もし、役者ではダメだということになったら……
その時は……その時は、私が……その役目を負うことになる」
私は息をのんだ。
ヘンリックが、カリナと……?
「私はバルテン王国に忠誠を誓った騎士だ。
そうなったら、媚薬を飲んででも役目を全うしなくてはならない。
魔王襲来に備えるためには、そうするしかないんだ……」
「リック……」
「マリア……こんなことになって、すまない……」
あまりの理不尽さに、私は怒りに震えた。
マリアンネは可愛い妹で、ヘンリックは大切な友人だ。
その二人を苦しめるなんて、許せない。
やっと夫婦になれるところだったのに、こんな横槍が入るなんて!
総騎士団長の令息は、現在西の国境にある砦で武者修行中で、急いで呼び寄せても王城に到着するまで一月以上はかかる。
頼みの綱のアンゼルム大公も、カリナは全く好みでないということで私と同じように絶対無理なんだそうだ」
カリナの容姿は、バルテン王国でもかなり可愛らしい部類にはいる。
それなのに、あのふるまいのせいで男性からの人気は低いのだそうだ。
日本で私の後輩だった時は、仕事はきちんととこなしていたし、TPOもわきまえていたのに。
ヘンリックたちを篭絡するのに必死で、ああなってしまったのだろうか。
「カリナの恋人とされる四人は、女に好まれる容姿をしているという事以外に共通点がない。
本来ならその四人のなかに含まれていないルーカス様とエルをほしがったことからも、男なら誰でもいいのではないかと推測される。
それで……整った顔をした騎士崩れの役者を、騎士と偽ってカリナにあてがって、様子を見るということになった。
その役者の魔力かなにかが上がったのが認められたら、独身の騎士の中から希望者を募ることになる。
カリナは中身はアレだが容姿は整っているし、回復魔法の使い手でもあるから妻に望むものも少なくないはずだ。
だが……」
ヘンリックは苦しげな顔で口ごもった。
「だが……もし、役者ではダメだということになったら……
その時は……その時は、私が……その役目を負うことになる」
私は息をのんだ。
ヘンリックが、カリナと……?
「私はバルテン王国に忠誠を誓った騎士だ。
そうなったら、媚薬を飲んででも役目を全うしなくてはならない。
魔王襲来に備えるためには、そうするしかないんだ……」
「リック……」
「マリア……こんなことになって、すまない……」
あまりの理不尽さに、私は怒りに震えた。
マリアンネは可愛い妹で、ヘンリックは大切な友人だ。
その二人を苦しめるなんて、許せない。
やっと夫婦になれるところだったのに、こんな横槍が入るなんて!