転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「リック、隠していてごめんなさいね。
あなたにも秘密にするって決めたのは、私よ。
だから、マリーとエルを責めないで」
「責めたりはしない。でも、なんで今まで教えてくれなかったんだよ」
「あなたが、バルテン王国に忠誠を誓った騎士だからよ。
このことを知ったら、あなたは上に報告しなきゃいけなくなるんじゃないかと思ったの」
エルヴィンの能力は、とんでもなく有用だ。
なんとしてでもエルヴィンを手に入れて利用しようとするに決まっている。
私が国に仕える立場だったら、絶対そうする。
だから、大切な友人であるヘンリックが板挟みになって悩むことがないように、秘密にしていたのだ。
「それもそうか……理由はわかった。
腹を立ててもいないから、そこは心配しないで」
聡いヘンリックは、すぐに理解してくれたようだ。
「翼があるってことは、飛べるんだよね?」
「もちろん。お嬢とマリーの二人くらいなら、抱えたまま余裕で飛べる。
早馬で十日はかかるような距離も、俺なら数時間で移動できる」
「へぇぇ、それはすごい!」
「お嬢とマリーが持ってる護身用の魔法具も、俺の魔力が籠めてある」
「ああ、あれか。
やたらと高性能だと思ってたけど、そういうことだったのか。
一気にいろんな謎が解けたよ」
これまで三年近く一緒に暮らしてきた中で、ヘンリックは疑問に思うことがいくつもあっただろう。
でも、一度もそれを問い質したりしなかった。
それだけ私たちを信頼してくれていたからだ。
あなたにも秘密にするって決めたのは、私よ。
だから、マリーとエルを責めないで」
「責めたりはしない。でも、なんで今まで教えてくれなかったんだよ」
「あなたが、バルテン王国に忠誠を誓った騎士だからよ。
このことを知ったら、あなたは上に報告しなきゃいけなくなるんじゃないかと思ったの」
エルヴィンの能力は、とんでもなく有用だ。
なんとしてでもエルヴィンを手に入れて利用しようとするに決まっている。
私が国に仕える立場だったら、絶対そうする。
だから、大切な友人であるヘンリックが板挟みになって悩むことがないように、秘密にしていたのだ。
「それもそうか……理由はわかった。
腹を立ててもいないから、そこは心配しないで」
聡いヘンリックは、すぐに理解してくれたようだ。
「翼があるってことは、飛べるんだよね?」
「もちろん。お嬢とマリーの二人くらいなら、抱えたまま余裕で飛べる。
早馬で十日はかかるような距離も、俺なら数時間で移動できる」
「へぇぇ、それはすごい!」
「お嬢とマリーが持ってる護身用の魔法具も、俺の魔力が籠めてある」
「ああ、あれか。
やたらと高性能だと思ってたけど、そういうことだったのか。
一気にいろんな謎が解けたよ」
これまで三年近く一緒に暮らしてきた中で、ヘンリックは疑問に思うことがいくつもあっただろう。
でも、一度もそれを問い質したりしなかった。
それだけ私たちを信頼してくれていたからだ。