転生小説家の華麗なる円満離婚計画
⑯
「お姉様、とてもきれいですわ!」
「ありがとう、マリー」
あの深夜の話し合いから十日後。
私はマリアンネに手伝ってもらって、王城で開かれる夜会に参加するための準備を整えたところだ。
扉がノックされ、返事をすると煌びやかな夜会服を着たヘンリックと、全身真っ黒な服を着たエルヴィンがはいってきた。
「着飾ったリサを見るのは久しぶりだね。
とても美しいよ」
「ありがとう、リック。
でも、あなたの隣に立つと見劣りしてしまうわ」
ごく自然に賛辞の言葉をくれるヘンリックだが、二人並ぶとどう考えても私は霞んで見えてしまう。
私だってそれなりに整った容姿をしているという自覚はあるが、別次元のヘンリックとは最初から張り合う気にもなれない。
「そんなことありません!
リックも素敵ですけど、お姉様もすっっっごくきれいじゃありませんか!
見劣りするなんて、あり得ません!」
「そうだぞ、お嬢。
お嬢よりきれいな女なんて、この世に存在しない」
相変わらずな二人に、私は苦笑した。
とはいえ、きれいだと言われて悪い気分ではない。
「ありがとう。それじゃ、行ってくるわ。
エル、打合せ通りにね」
「任せておいてくれ。
リック、お嬢を頼んだぞ」
「ああ、リサのことはなにも心配いらないからな」
私はヘンリックと二人で馬車に乗り込み、王城に向かった。
「ありがとう、マリー」
あの深夜の話し合いから十日後。
私はマリアンネに手伝ってもらって、王城で開かれる夜会に参加するための準備を整えたところだ。
扉がノックされ、返事をすると煌びやかな夜会服を着たヘンリックと、全身真っ黒な服を着たエルヴィンがはいってきた。
「着飾ったリサを見るのは久しぶりだね。
とても美しいよ」
「ありがとう、リック。
でも、あなたの隣に立つと見劣りしてしまうわ」
ごく自然に賛辞の言葉をくれるヘンリックだが、二人並ぶとどう考えても私は霞んで見えてしまう。
私だってそれなりに整った容姿をしているという自覚はあるが、別次元のヘンリックとは最初から張り合う気にもなれない。
「そんなことありません!
リックも素敵ですけど、お姉様もすっっっごくきれいじゃありませんか!
見劣りするなんて、あり得ません!」
「そうだぞ、お嬢。
お嬢よりきれいな女なんて、この世に存在しない」
相変わらずな二人に、私は苦笑した。
とはいえ、きれいだと言われて悪い気分ではない。
「ありがとう。それじゃ、行ってくるわ。
エル、打合せ通りにね」
「任せておいてくれ。
リック、お嬢を頼んだぞ」
「ああ、リサのことはなにも心配いらないからな」
私はヘンリックと二人で馬車に乗り込み、王城に向かった。