贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
カロリーヌは必死の形相で縋るように見てくる。シェリルが攫われた事に関しては箝口令を敷き、できるだけ広めないつもりだ。今、命が掛かっているカロリーヌは代役をこなし、何とか減刑を求めるつもりだろう。

(あっ、ウィッグ!)
僕は自分の寝室にオークションで競り落としたシェリルの髪で作ったウィッグがある事を思い出した。騎士に耳打ちしウィッグと一緒に保管している繊細なレースのヴェールを取りに行かせる。

「カロリーヌ、今からシェリルの代役をして貰う。無事に勤め上げたら、命を助けると約束しよう」
「お慈悲をありがとうございます」

カロリーヌが深々と頭を下げる。他の女性の立ち居振る舞いを見る度にシェリルがどれだけ、僕の妃になる教育に真剣に取り組んできたか分かり胸が熱くなった。

「カロリーヌ、お前は会場に入ったら常に目を瞑っていろ。食事もしてはならない」
「それは、一体⋯⋯」
「分からないのか? シェリルは誰も文句をつけれないレベルの礼節を身につけている。そして、瞳の色はルビー色だ。目を瞑るのが嫌なら、今ナイフで刺してお前の目を赤く変えても良いんだぞ」

< 115 / 158 >

この作品をシェア

pagetop