贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
ランスロットをアイコンタクトで呼び、国境を封鎖するように指示を出す。

「オスカー・アベラルド王太子殿下と、シェリル・アベラルド王太子妃殿下の入場です」

披露宴会場の扉が開かれ、皆が一斉に注目する。

光の雫が降り注ぐような豪華なシャンデリア、会場の至る所に飾られた真っ赤な薔薇。九百九十九本の薔薇の意味は『何度生まれ変わっても愛してる』。この披露宴はシェリルを驚かせたくて僕が準備した。

二年前から、急に国の財政を気にして節約し始めた彼女。彼女に君はそんな事を気にする必要はないと伝えたかった。セレスタン国王からが来月には譲位すると内々に伝えられている。。

この国が僕のものになったら、シェリルを世界一の贅沢をさせ幸せにすると決めているのだ。
来賓少し騒がしいのは、灯りが消えたトラブルのせいだろう。
先程の暗がりも演出という事にして仕舞えば良い。昔から演技は得意だ。本当の僕を知ってるのはシェリルだけでいい。
< 117 / 158 >

この作品をシェア

pagetop