贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
だから、本当は自分が跪ける相手に恋焦がれている。彼は私を利用しようと、心を捉える為に何度も跪いてきた。あれは彼の深層心理の現れ。私に自分を跪かせるような女であって欲しいと願っている。

「我儘に聞こえてしまっているなら、私はここでユリシスと馬車を降りるわ」
横たわっているユリシスを軽く叩くと、強過ぎる太陽のような瞳が開かれる。
(目力を抑えて⋯⋯)

フレデリックが髪を手でくしゃっとさせながら、苦悶の表情を浮かべる。

「シェリル、君が理解できない。長年婚約した男に裏切られて傷ついた君を助けたのに、君はどうしてアベラルド王宮に戻るの? あんな裏切り者の男に未練があるの?」
「オスカーなんてどうでもいい! フレデリック、はっきり言って、貴方に嫌われても構わないわ。弟のレナルドが心配だから戻りたいのよ! レナルドは私の命なの」

私は咄嗟に本音を叫んでいた。もっと、余裕にフレデリックを翻弄する予定だったのに不安過ぎて自分が制御できない。

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