贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
俄には信じがたい事実に驚く。フレデリックがユリシスを利用して革命を起こしたという事だ。アベラルド王国の正規の騎士団は革命軍に一気に制圧された。圧倒的な人数の差があったとはいえ、こちらは訓練された騎士たちが城を守っていた。真夜中に次々と革命軍が城に侵入して来たのは完璧な奇襲攻撃だった。彼らは剣だけでなく、最新の武器である銃まで持っていた。闇市で仕入れたというよりも、圧倒的な軍事力を持つバロン帝国が用意したという方が納得がいく。
「なぜ、フレデリックはそんな方法を?」
「シェリル・アベラルド! 貴方は初めて会った俺の言う事を信じるのか?」
「初めてではないでしょ。地下牢と断頭台で少し会話をしたわ」
質問に質問で返された。私に今分かっているのはユリシスが瀕死の状態である事だ。そして、彼は自分の事ではなく、他人の為に自分を犠牲にして動いていた。多くの痛みや苦しみを一人で耐えて、見ず知らずの人間を助けようとしている。
こんな彼だから、人々は彼を『英雄』と呼び希望を託したのだろう。
きっと、フレデリックが彼に近付いたのは、彼の強い太陽のような光で自分の企みを隠す為だ。
「なぜ、フレデリックはそんな方法を?」
「シェリル・アベラルド! 貴方は初めて会った俺の言う事を信じるのか?」
「初めてではないでしょ。地下牢と断頭台で少し会話をしたわ」
質問に質問で返された。私に今分かっているのはユリシスが瀕死の状態である事だ。そして、彼は自分の事ではなく、他人の為に自分を犠牲にして動いていた。多くの痛みや苦しみを一人で耐えて、見ず知らずの人間を助けようとしている。
こんな彼だから、人々は彼を『英雄』と呼び希望を託したのだろう。
きっと、フレデリックが彼に近付いたのは、彼の強い太陽のような光で自分の企みを隠す為だ。