義務だけの結婚だったのに社長の溺愛が熱すぎて息ができない

第1章 義務的なベッドと孤独

私が父の言う通りに結婚しようと決めたのは、初めて御園碧斗の社長室を訪れたときだった。

窓から差し込む午後の日差しの中、彼は無駄のない動作で部下に指示を飛ばしていた。

中性的な整った顔立ちに、白い肌。

冷静沈着で、近寄りがたい空気をまとっている。

──その姿は、私の理想そのものだった。

「篠宮咲菜さん、俺はあなたと結婚しても構いませんよ。」

初対面の場で放たれた冷たい言葉に、背筋がゾクッと震えた。

愛のない言葉のはずなのに、私の心はなぜか熱くなる。

ああ、この男に抱かれたい。

冷ややかな仮面をかぶった男が、私だけの前で熱を宿し、理性を外す瞬間を見たい──。

政略結婚だとわかっていても、そんな欲望を抑えられなかった。

彼の冷たさの奥にある「まだ見ぬ情熱」を、どうしても私の身体で確かめたいと思ってしまったのだ。
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