私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ








お互い無言のまま歩き続けること数分。鈴原の案内する先は屋上だった。


ガチャリと屋上の扉が開かれると同時に手元のスマホに通知が走る。


視線を僅かに落とし内容を確認すれば私が求めていたものだった。


「ねぇ、そろそろいいんじゃない?」


ならばこれ以上黙って後に続く理由なんざない。


「なんの事?」


「とぼけないでよ。片付けで屋上なんて来る意味ある?さっさとアンタに指示を出した人間を呼んで」


「・・・悪いけどどういう事かさっぱりだよ」


「とぼけないでって言ったでしょ?」


「ッ」


その目を捉えたまま首を傾げただけで青ざめる始末。


(こいつに対して警戒し過ぎたか・・・?)


送られてきた動画を再生すれば鈴原と複数の男の音声が再生される。


『随分と遅かったじゃねーか』


『うるさいわね、無駄口叩いてないで持ち場についてよ。こんなところ、誰かに見られたらどうするのよ』


『はいはい』


「映像もあるけど・・・、確認したい?」


手元の端末には今は使われていない職員用の出入口にて扉を解錠し、西の人間を校内に潜入させる鈴原の姿が映る。


「なんで、この前確認した時はなかったのにッ。あんた達だって今日は・・・」
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