私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
言い訳をしても無駄だと伝えたかっただけだが、その必要はもう無いらしい。


そりゃ事前に確認が入る事を見越してカメラを設置したのは昨日だし。・・・設置したのは私でも皐月でもないんだけど。


「そんな動きを見せなかったから油断してた?」


予め潜入できる場所を調べ、私達が直接動くのを避ける為に柊に引き継いだのは正解だったな。


電波の届かないこの場所を使われたためリアルタイムで監視できず、直接回収する他無く証拠が手に入るのに時間が掛かってしまったが文句のない収穫だ。


しかしこういった場を選ぶあたり、相手は用意周到な奴。間違いなくアイツが来てる。


「アンタは終わってるの、いいからさっさと呼んでよ」


「・・・っ」


催促する私にキョロキョロと目を動かす鈴原。


しかしその目は冷静さを欠いているためか濁っており、初めて対面した時に一瞬見せたものと同じだった。


それは西の人間である特徴であり、どうやらいつもの純真無垢な振りはもうやめたらしい。


できない、と言う方が正しいんだろうがよくもまぁこんな人間に指示を出していたもんだ。


大方使い捨ての駒に過ぎないんだろうが。





「そんな急かさなくてもいいよ。俺はここに居るんだから」






そんな様子を見かねてかこの場に私達ではない誰かの声が落とされる。
< 227 / 236 >

この作品をシェア

pagetop