私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
・・・今のは気のせい?


「この東の連中共もだ!不意を突いて上手くやったといい気になってるんだろがなぁ!」


「・・・先ほどまで伸びていた連中ですね。そのままにしていた私の不始末です」


「あの状況だ。お前のせいじゃない」


緊張感の走るこの場にどうするべきか息を吞みながら周りに視線を向ける。東と西、というか、西の人達同士でも対立が起きそうな雰囲気。


こんなんじゃ碌に動くこともできない。


一秒でも早くましろちゃんを病院に連れて行きたいのにっ。





「はぁ、使い道はあると思ったが俺としたことが判断を誤ったな。《《面倒ごと》》を起こしやがって」


「なにィ?」


「調子に乗ってるようだがアンタから潰しちまってもいいんだぜ。いくら副トップでもこの人数相手にどうにかできるとは言わねーよな?」


ニマニマと嫌な笑みを浮かべる西の人達に焦る様子もなくポケットから先程しまったナイフを取り出すキョウさん。


あれ、違う。


西の人達には確かに焦る様子はないけど、口元はほんの僅かに《《引き攣っている》》、ような。


「西の人間はこれだから困る。───────お前らが相手にしなきゃいけないのは俺じゃないだろ?」


やっぱり何か変だ。キョウさんはあたし達相手に笑顔を絶やさず対応してた。


だけど今は、ううん。


この人たちが来てから一度もキョウさんは笑ってない。
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