私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ
「学年リレーだけは・・・!学年リレーだけは・・・!」


凄まじい形相にこれから戦場にでも行くのか?と問いかけたくなる。


「これだぁっ!──────ぬ"わぁ!?」


ああ、引いてしまったんだな。反応だけで察する事ができてしまった。


案の定学年リレーを引き当ててしまったらしくしょんぼりとしながら自分の席に戻って行く。


私の順番になって短距離走を引き当てる。


学年リレーの枠はまだ残っている・・・。


出来ることなら一緒に参加したいが、今回ばかりは運が絡んでくるものだしこちらとしてもどうしようもないな。


二枚目を引こうとする私に委員長がぽつりと耳打ちをする。


「上の方確認してみて」


上の方・・・?


その言葉に従い手を入れてすぐの場所を確認する。


(何か貼られている?)


私の反応を見て微笑む委員長。確信を得て私は"それ"を手にして箱から腕を抜く。





「学年リレー・・・」


掴んだ"それ"、くじを開き中身を読み上げる。


「いいのこんなことして?」


「綾波さんには悪いと思ってるけど俺も勝ちに行きたいからね。今回ばかりは多目に見て欲しいな」


多目に見るも何も、何ら不満はない。


なにかあるとすれば委員長がただの好青年ではないということに気付かされた事だろう。


人間味があって面白いじゃないか。
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