俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「逃げるなら、他に対処法を考えないといけなくなります」

「わかったわ」

迷惑そうに眉根を寄せつつも承諾してくれたので、一番近いミーティング室の札を使用中に切り替えて中に入った。

ピリピリと肌を刺すような空気を感じるが怖くはない。

黒見の元恋人のゴージャス美女に比べれば、宇津木の迫力など可愛いものである。

座らずにテーブルを挟んで向かい合い、梨乃が口火を切った。

「一昨日のチャット会議の件です。単刀直入に言いますが、嫌がらせをやめてください。私を嫌っているのはわかりますが、社会人として大人の対応をしてくださらないと困ります。私がミスをすることで損失が出たら、どうするつもりなんですか」

正論をぶつけて宇津木を見据えた。

(さぁ、どう返してくる?)

ただの連絡ミスだと言い訳するのか、それとも感情的に責任転嫁してくるのか。

どんな攻撃をされようともカウンターパンチをお見舞いしてやるくらいの気迫で待ち構えていたというのに、宇津木の声は素っ気ないほど淡々としていた。

「迷惑をかけたと思っているわ。ごめんなさい。もうしないと約束します」

(えっ?)

「話しがそれだけなら帰るわ。おつかれさま」

ドアへと爪先を向けた彼女を慌てて引き留める。

「待ってください。それだけですか?」

「他になにを望んでいるの?」

< 156 / 238 >

この作品をシェア

pagetop