俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「んっ……」

とろけるようなキスは梨乃の胸をときめかせるにいいだけときめかせておきながら、突然終わった。

スッと体を離した黒見が天井に向けて息をつき、前髪をかき上げている。

(どういう心境? 私、なにか間違えた?)

不安になっている顔を横目で見られた。

「言わずに察しろというのは無理だよな」

「うん。教えて?」

「あのまま続けていたら、止められずに抱いてしまうところだった。ああいう顔は俺の前だけにしろよ」

(私、そんなに女の顔になってたの?)

熱くなる顔を逸らして文句を言う。

「そういうことまで言わなくていいよ。私が恥ずかしいから」

「不安そうな顔をしたからだろ。俺だって気持ちを説明するのは恥ずかしい」

「嘘だ。将吾には恥ずかしいという感情はないでしょ?」

「俺をどんな男だと思ってるんだ」

「きゃっ!」

ソファに押し倒され、顔の横に彼の片腕が突き立てられた。

驚く梨乃の目に、挑戦的に口の端を上げている楽しそうな彼の顔が映った。

「俺という人間をたっぷりと教えてやる。そうすれば愛されているのも信じられるだろ」

男の色気が漂う瞳と、蠱惑的に濡れた唇に喉を鳴らした。

「この恋は終わらないと信じられるくらい、教えてくれるの?」

「もちろんだ」

「うん……あっ、キスまでだよ?」

「この状況で? 仕方ない。我慢するか」

彼の拗ねたような表情を見るのは初めてだ。

(可愛いところもあるんだ。ひとつ、新しい将吾を知れて嬉しい)

微笑んで目を閉じ、今日二度目のキスを受け入れた。
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