俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「敬称もいらない」

「しょ、将吾」

目を逸らさずに要求に答えたが、頬は勝手に熱くなる。

「顔が赤いぞ。この程度で照れるとは可愛いな」

ククッと余裕のある笑い方をした彼が憎らしい。

「仕方ないじゃないですか。あっ、敬語はダメなんだった。ええと、仕方ないよね?」

言い直すとまた笑われた。悔しくなって軽く睨んでも効果はなく、嬉しそうな目をして優しく抱き寄せられた。

目の前にはネクタイの結び目があり、着衣越しに彼の筋肉のたくましさを感じた。

ときめきと戸惑いの狭間で心臓を大きく波打たせる。

「私たち、まだ恋人じゃないから……」

「お互いに恋愛感情があるのは確認済みだ。俺は遠慮しないから、嫌なら拒んでくれ。すぐにやめる」

顎先に男らしい指がかかり、顔を上に向けられた。

ドアップで見る美麗な顔に、すでに鼓動は最高潮に高まっている。

(ズルいよ。私に決めさせるなんて)

拒める時間を作っているのか、形のいい唇がゆっくりと近づいてくる。

ここで拒まなければ今後、キスは許容したと見なされるだろう。頭脳的に攻めてくるのが彼らしい。

(ダメって言わないと)

そう思うのに、色っぽい瞳に見つめられるとゾクゾクと体の中心から期待が湧いて流されてしまう。

目を閉じると唇が触れ合い、感触を確かめるようにすり合された。

上唇と下唇を順に吸われてから、キスが深くなる。

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