Powdery Snow

えっ…、

ってか、この教室が最後だし。


呆然とするあたしに「ねぇ、」と絵梨佳はあたしの肩をポンッと叩いた。


「何?」

「ってかさ、来てないんじゃない?」

「そうなのかな…」


でも、昨日は行ってたみたいだし。

マフラーを抱え込むあたしは壁に背をつけて、もう一度辺りを見渡した。


…居ない。


どう見ても一目で分かる、あの軽そうな男。

確かに、ここの制服だった。 



「って言うかさぁ、亜希の事振るなんて凄いよね?」 


突然訳の分からない話に変わり、あたしは思わず首を傾げる。


「えっ、何のこと?」


< 17 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop