Powdery Snow
えっ…、
ってか、この教室が最後だし。
呆然とするあたしに「ねぇ、」と絵梨佳はあたしの肩をポンッと叩いた。
「何?」
「ってかさ、来てないんじゃない?」
「そうなのかな…」
でも、昨日は行ってたみたいだし。
マフラーを抱え込むあたしは壁に背をつけて、もう一度辺りを見渡した。
…居ない。
どう見ても一目で分かる、あの軽そうな男。
確かに、ここの制服だった。
「って言うかさぁ、亜希の事振るなんて凄いよね?」
突然訳の分からない話に変わり、あたしは思わず首を傾げる。
「えっ、何のこと?」