セレナーデ
肩を震わせて笑う一望が時計を掛け直した。
「多忙だったんだな」
床も掃除してくれたのか、埃が少しも見えない。
「掃除機かけても起きなかった。資料はよく分からないから、そこにまとめといた」
「……ありがとう、本当に」
「いやこちらこそ」
「私は何もしてない」
「家のことしてくれてる」
いつも一望はそう言う。
でも、わたしは家事なんて全然出来てない。
洗濯物だって自動乾燥まであるのに、入れて回すのさえ追いついていない。
生活力が激しく低い。
「朝ごはん食べよ」
一望はそんなことなんて少しも気にしていない顔で食卓テーブルを指した。