セレナーデ
一望はその椅子に立ち上がり、掛け時計を外した。
わたしが最初に発したのは、おはようでも、おかえりでもなく。
「なに、してるの」
11時を示す時計を裏返し、一望はこちらを見た。
「電池切れてたから、替える」
「え、いま、何曜日の、何時」
「日曜日の、朝八時」
その答えにほっと胸を撫でおろす。今日、休みだった。
そして漸く、これが夢ではないことが判明する。
「おはよう、おかえり、ごみとか全部、ごめん」
キッチンの方の散乱具合も酷かったのに、全て無かったみたいに綺麗になっている。