一匹狼の同僚が私とご飯を食べるのは
「設計のひとたちって、わたしのことを便利な道具程度にしか思ってないところがあるんですけど」
花梨ちゃんは、設計図面を描く際に使うCADという専用ソフトを専門に扱う派遣社員だ。
設計部のメモ書きのようなラフを、きちんとした図面に起こす。地味ながら、大切な仕事だ。
けれど設計の中には、指示したとおりに図面を作るだけと侮り、花梨ちゃんに横柄な態度を取るひともいる。
自分でCADを使うより、花梨ちゃんのほうが仕事が早いにもかかわらず。
「吉見さんは私に頼むときもていねいなんですよ。最初はあまり喋んないし、怖って思ってたんですけど。わからない部分を質問したらきちんと答えてくれますし。おじさん連中の中には、わたしがラフを読み解けないのが悪いみたいに言うひともいるんですけど、そんなこともなくて」
「あー」
吉見さんならそうだろうな、と想像がついた。
ひとと積極的に関わらない向きがあるけれど、仕事自体は誰よりも真摯に取り組んでいる彼だ。
花梨ちゃんの業務の大切さだってきっと理解して、リスペクトしているのに違いない。
「この前も、超特急の仕事を仕上げたらすっごく感謝されたんですよ。それが新鮮というか、なんかツボって」
「あー、レストランの再提案ね。あれ、花梨ちゃんも作業してくれたんだ。ありがとう。あの再提案、通ったよ」
「はい、吉見さんから聞きました」
花梨ちゃんがさらっと言い、またストローに口をつけながら上目遣いで笑う。
その上目遣いには嫌味なところがないので、文句のつけようがない。
こういう子が皆にかわいがられる子なんだろうな。でも……。
なんでだろう、なんか。なんだか。
花梨ちゃん、吉見さんと仲がいいのかな。ふたりで話すんだ。
そりゃあ、営業の私よりもよっぽど仕事内容も近いし、おなじフロアだし当たり前ではある。
でも、仕事以外でも話すのかな。
花梨ちゃんは、設計図面を描く際に使うCADという専用ソフトを専門に扱う派遣社員だ。
設計部のメモ書きのようなラフを、きちんとした図面に起こす。地味ながら、大切な仕事だ。
けれど設計の中には、指示したとおりに図面を作るだけと侮り、花梨ちゃんに横柄な態度を取るひともいる。
自分でCADを使うより、花梨ちゃんのほうが仕事が早いにもかかわらず。
「吉見さんは私に頼むときもていねいなんですよ。最初はあまり喋んないし、怖って思ってたんですけど。わからない部分を質問したらきちんと答えてくれますし。おじさん連中の中には、わたしがラフを読み解けないのが悪いみたいに言うひともいるんですけど、そんなこともなくて」
「あー」
吉見さんならそうだろうな、と想像がついた。
ひとと積極的に関わらない向きがあるけれど、仕事自体は誰よりも真摯に取り組んでいる彼だ。
花梨ちゃんの業務の大切さだってきっと理解して、リスペクトしているのに違いない。
「この前も、超特急の仕事を仕上げたらすっごく感謝されたんですよ。それが新鮮というか、なんかツボって」
「あー、レストランの再提案ね。あれ、花梨ちゃんも作業してくれたんだ。ありがとう。あの再提案、通ったよ」
「はい、吉見さんから聞きました」
花梨ちゃんがさらっと言い、またストローに口をつけながら上目遣いで笑う。
その上目遣いには嫌味なところがないので、文句のつけようがない。
こういう子が皆にかわいがられる子なんだろうな。でも……。
なんでだろう、なんか。なんだか。
花梨ちゃん、吉見さんと仲がいいのかな。ふたりで話すんだ。
そりゃあ、営業の私よりもよっぽど仕事内容も近いし、おなじフロアだし当たり前ではある。
でも、仕事以外でも話すのかな。