代理お見合いに出席したら、運命の恋が始まりました~社長令息は初心な彼女を溺愛したい~

パーティーはオレンジ色のドレスで

 約束をした当日の朝。

 七海は美容サロンへ行き、ヘアメイクを施してもらった。

「今日はパーティーですか?」

 馴染みの美容師が、七海の髪を結いながら、にこにこと聞いてくれたが、七海はやや濁った笑みになってしまった。

「はい、まぁ」

 でも彼女は、七海の少し曖昧な態度をなにも気にしなかったらしい。

 楽しげに手を動かしていく。

「素敵ですねぇ! お召し物もとってもかわいいです」

「ありがとうございます」

 褒められた通り、今日の七海は新しいパーティードレスを着ていた。

 明るいオレンジ色のドレスは膝丈で、控えめなレースで彩られている。

 半袖なので、上には白のボレロを羽織っていた。

 足元はシルバーのパンプスだ。

 少しヒールが高くて、後ろにリボンの形の装飾がついており、とてもかわいらしい。

「はい、完成です! 今日はリクエスト通り、いつもより華やかに仕上げました。いかがでしょう?」

 やがてヘアメイクは完成した。

 美容師がにこにこしながら七海の肩に手を置き、鏡越しに見つめてくる。
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