無自覚悪役令嬢と婚約式
 階段を登りきった彼女は、未だ赤い顔のまま、泣きそうな顔で玄関ホールにいるメイナードを振り返った。

「俺の話はまだ」

「エミリアのための日に、そんなこと言うなんて……メイナードのばか!」

 捨て台詞のように叫んで、ハンナは奥の扉へと消えてしまった。置き去りにされてしまった状況に、メイナードはぽかんとしたが、やがてくつくつと笑い始めた。

「先は長そうだな」

 ぼやくような台詞だったが、メイナードの声音はこの邸宅へやってきた時よりも随分と明るい。今朝までのハンナは妹を溺愛していて自分の恋愛など眼中になかったようだが、メイナードの告白でようやく意識をしてくれそうだ。メイナードの言う通り先は長そうではあったが、原作では悪役令嬢だった彼女の未来は、希望に満ちていることだろう。
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