乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
「アーネスト様は心配性ですねえ。大丈夫なんですよ。……でもありがとうございます!」
へへ、と笑って見せて彼女はくるりと背中を向けた。
その時だ。
「カナエ!」
彼女の頭上に、突如としてモンスターが出現する。小型のワイバーンだ。
「……ッ!」
カナエが声にならない叫びをあげるのと同時に、ワイバーンの鋭い爪が彼女に襲い掛かった。けれど、彼女が怪我をするようなことにはならない。
「だめぇっ!」
間一髪、叫ぶ彼女を私の身体で守る。ワイバーンの爪が肩を深く抉ったが、痛みをこらえて剣の柄に手をかける。
「ああああ!」
抜きざまに剣を一閃させ、ワイバーンの首を刎ねる。たちまちワイバーンの身体は塵となって消えた。
実体のあるモンスターならこんな風に消えはしない。これは次の中ボスが差し向けた魔術だ。
「ぐっ…」
肩を押さえてうずくまる。
「大丈夫か!?」
「ミカ! ミカ! しっかりして、ミカ!」
カイルが走り寄り、カナエは私の身体にしがみついて叫ぶ。アーネスト様ではない呼び方を、カナエがしている。
「ごめん、私のせいで、ごめん…! すぐ、すぐに治すから、ごめん、ごめん……」
彼女の涙がポトポトと私の頬に落ちてくる。泣きながら祈る彼女の光に包まれて、ゆるゆると痛みがひいていく。しかし、傷は深く、なかなか塞がらない。
「大丈夫、だよ。カナエ。だから泣かないで……」
頬を撫でて囁くが、そんな声は一切聞こえていない様子で、必死に彼女は祈り続ける。
「私のために、傷つくなんて、絶対だめ…だめなのに……」
きゅ、とカナエが祈りのための拳に力を入れた時、更なる光が迸る。
「お願い、治って……!」
カナエが言うのと同時に、彼女の背中に光の翼が現れた。
聖女の覚醒。カナエは祈りの奇跡の力が強まり、より強大な奇跡を起こせるようになったのだ。
新たな力を得て、私の肩の傷はみるみるうちに塞がっていき、皮膚が再生していく。そして、そのまま完治した。
「……っよ、良かった……!」
傷が治ったことを確認すると、カナエは更に泣きじゃくって私の手を握った。
「ありがとう、カナエ」
彼女の手をそっと握り返すと、途端に彼女の身体がびくりと揺れた。
「アッアーーアーネスト様、ごめんなさい! あの、アッ、あああ」
へへ、と笑って見せて彼女はくるりと背中を向けた。
その時だ。
「カナエ!」
彼女の頭上に、突如としてモンスターが出現する。小型のワイバーンだ。
「……ッ!」
カナエが声にならない叫びをあげるのと同時に、ワイバーンの鋭い爪が彼女に襲い掛かった。けれど、彼女が怪我をするようなことにはならない。
「だめぇっ!」
間一髪、叫ぶ彼女を私の身体で守る。ワイバーンの爪が肩を深く抉ったが、痛みをこらえて剣の柄に手をかける。
「ああああ!」
抜きざまに剣を一閃させ、ワイバーンの首を刎ねる。たちまちワイバーンの身体は塵となって消えた。
実体のあるモンスターならこんな風に消えはしない。これは次の中ボスが差し向けた魔術だ。
「ぐっ…」
肩を押さえてうずくまる。
「大丈夫か!?」
「ミカ! ミカ! しっかりして、ミカ!」
カイルが走り寄り、カナエは私の身体にしがみついて叫ぶ。アーネスト様ではない呼び方を、カナエがしている。
「ごめん、私のせいで、ごめん…! すぐ、すぐに治すから、ごめん、ごめん……」
彼女の涙がポトポトと私の頬に落ちてくる。泣きながら祈る彼女の光に包まれて、ゆるゆると痛みがひいていく。しかし、傷は深く、なかなか塞がらない。
「大丈夫、だよ。カナエ。だから泣かないで……」
頬を撫でて囁くが、そんな声は一切聞こえていない様子で、必死に彼女は祈り続ける。
「私のために、傷つくなんて、絶対だめ…だめなのに……」
きゅ、とカナエが祈りのための拳に力を入れた時、更なる光が迸る。
「お願い、治って……!」
カナエが言うのと同時に、彼女の背中に光の翼が現れた。
聖女の覚醒。カナエは祈りの奇跡の力が強まり、より強大な奇跡を起こせるようになったのだ。
新たな力を得て、私の肩の傷はみるみるうちに塞がっていき、皮膚が再生していく。そして、そのまま完治した。
「……っよ、良かった……!」
傷が治ったことを確認すると、カナエは更に泣きじゃくって私の手を握った。
「ありがとう、カナエ」
彼女の手をそっと握り返すと、途端に彼女の身体がびくりと揺れた。
「アッアーーアーネスト様、ごめんなさい! あの、アッ、あああ」