乙女ゲームのメインヒーロー、なぜかヒロインから溺愛周回攻略されてます
今はストーリーが開始して中盤、メインの攻略キャラが出揃い、一人目の中ボスを倒しおわって次のボスを倒すための情報収集をしている所だ。今回は、私とカナエ、カイル以外のパーティーメンバーは街で待機している。
カナエが選択肢に従わないバグが発生しているにも関わらず、驚くほどにスムーズにストーリーは進んでいる。彼女が既に何周もしているのであれば納得もできるが、カナエがこの世界に来るのは初めての筈だ。
何百とこのゲームを周回していても、私は過去この世界にやってきたヒロインたち全てを覚えている。行動はシステムで制限されるが、ヒロインたちの容姿と名前は、実のところ毎回違うのだ。過去にやってきたヒロインの中に、カナエと同じ女性はいなかったし、システムを無視して行動できる女性もいなかった。
カナエの登場は、イレギュラーだ。なのに、ストーリー通りに進んでいる。これがゲームの強制力という奴なのだろうか。
「えーとえーと、あっアーネスト様! 怪我がなくて大丈夫でも、疲れてると思うので、祈りしときますね!」
少し離れたままの場所から、カナエが手を組んで祈り始める。途端に、彼女の身体から光が迸り、私を含むパーティー全体を暖かく包み込む。それに合わせて、戦闘での疲労が飛んだ。
これが聖女の祈りの奇跡だ。この世界にやってくるヒロインは、例外なく祈りで回復の奇跡や、戦闘力強化の奇跡などを起こせる。
「よっし、これでオッケーですね! 疲れたらいつでも言ってくださいね! 回復なら任せて!」
ドン、と胸を叩いて彼女は言うが、そうもいかない。
「あまり無理をしすぎてはだめだよ。カナエが倒れてしまうからね」
祈りの奇跡はMPを消費するから、乱発すれば使えなくなる。MPが枯渇したからと言ってシステム上死ぬわけではないが、身体が動かなくなることや、下手すると倒れることだってあるのだ。システムに従わずに動くことの出来るカナエに、MPの枯渇がどんな悪影響を与えるかは判らない以上、慎重に動くべきである。
システムが正常に動いていなくとも、ストーリーは進んでいる。そうなれば、エンディングを迎えるしか彼女を、この世界から解放する術はないのだから、私は役割を全うすべく、彼女を守りながらストーリーを進めるのみだ。
カナエが選択肢に従わないバグが発生しているにも関わらず、驚くほどにスムーズにストーリーは進んでいる。彼女が既に何周もしているのであれば納得もできるが、カナエがこの世界に来るのは初めての筈だ。
何百とこのゲームを周回していても、私は過去この世界にやってきたヒロインたち全てを覚えている。行動はシステムで制限されるが、ヒロインたちの容姿と名前は、実のところ毎回違うのだ。過去にやってきたヒロインの中に、カナエと同じ女性はいなかったし、システムを無視して行動できる女性もいなかった。
カナエの登場は、イレギュラーだ。なのに、ストーリー通りに進んでいる。これがゲームの強制力という奴なのだろうか。
「えーとえーと、あっアーネスト様! 怪我がなくて大丈夫でも、疲れてると思うので、祈りしときますね!」
少し離れたままの場所から、カナエが手を組んで祈り始める。途端に、彼女の身体から光が迸り、私を含むパーティー全体を暖かく包み込む。それに合わせて、戦闘での疲労が飛んだ。
これが聖女の祈りの奇跡だ。この世界にやってくるヒロインは、例外なく祈りで回復の奇跡や、戦闘力強化の奇跡などを起こせる。
「よっし、これでオッケーですね! 疲れたらいつでも言ってくださいね! 回復なら任せて!」
ドン、と胸を叩いて彼女は言うが、そうもいかない。
「あまり無理をしすぎてはだめだよ。カナエが倒れてしまうからね」
祈りの奇跡はMPを消費するから、乱発すれば使えなくなる。MPが枯渇したからと言ってシステム上死ぬわけではないが、身体が動かなくなることや、下手すると倒れることだってあるのだ。システムに従わずに動くことの出来るカナエに、MPの枯渇がどんな悪影響を与えるかは判らない以上、慎重に動くべきである。
システムが正常に動いていなくとも、ストーリーは進んでいる。そうなれば、エンディングを迎えるしか彼女を、この世界から解放する術はないのだから、私は役割を全うすべく、彼女を守りながらストーリーを進めるのみだ。