【十六夜月のラブレター another side】イケメンエリート営業部員入谷柊哉くんは拗らせすぎてる
俺のこと、憶えてない!?
ゴールデンウイーク休暇明けの爽やかに広がる青空の下。
オフィスの最寄り駅の地下鉄の階段を昇り地上に出て、高層ビル街を歩く俺の足取りは軽かった。
ああ、もうすぐ彼女に会える!
また彼女に会える日が来るなんて!
彼女に最後に会ったのは俺が大阪に引っ越す前日。
俺が中学3年生で一つ年下の彼女が中学2年生の時。もう10年以上も前のことになる。
それ以来彼女に会うことはできなかった。
俺が出した手紙に彼女が一切返事をくれなかったから。
あの時笑顔で返事をくれると言ったのに。
なぜくれなかったの?
そんなこと今更だし、返事がこなかったのが答えなんだからまた傷付くだけかもしれない。
それでも、いや、それだからこそ、俺は彼女に会って気持ちを聞いてみたかった。
俺の顔を見たら彼女は驚くかな?
気まずくて顔を背けるかも。
それとも懐かしくなって笑ってくれる?
クリーニングに出しておいたシングルのオーダースーツを着て、大手建材メーカーの大阪本社から異動して初出勤となる東京支社のオフィスへと辿り着く。
高層ビルのエレベーターに乗り営業部のフロアに着くと、俺が所属する営業2課の課長が出迎えてくれた。
「ああ、君が大阪本社から異動してきたエリート営業部員、入谷君だね。私は営業2課の万年窓際課長、吉田です」
「入谷柊哉です。よろしくお願いします」
オフィスの最寄り駅の地下鉄の階段を昇り地上に出て、高層ビル街を歩く俺の足取りは軽かった。
ああ、もうすぐ彼女に会える!
また彼女に会える日が来るなんて!
彼女に最後に会ったのは俺が大阪に引っ越す前日。
俺が中学3年生で一つ年下の彼女が中学2年生の時。もう10年以上も前のことになる。
それ以来彼女に会うことはできなかった。
俺が出した手紙に彼女が一切返事をくれなかったから。
あの時笑顔で返事をくれると言ったのに。
なぜくれなかったの?
そんなこと今更だし、返事がこなかったのが答えなんだからまた傷付くだけかもしれない。
それでも、いや、それだからこそ、俺は彼女に会って気持ちを聞いてみたかった。
俺の顔を見たら彼女は驚くかな?
気まずくて顔を背けるかも。
それとも懐かしくなって笑ってくれる?
クリーニングに出しておいたシングルのオーダースーツを着て、大手建材メーカーの大阪本社から異動して初出勤となる東京支社のオフィスへと辿り着く。
高層ビルのエレベーターに乗り営業部のフロアに着くと、俺が所属する営業2課の課長が出迎えてくれた。
「ああ、君が大阪本社から異動してきたエリート営業部員、入谷君だね。私は営業2課の万年窓際課長、吉田です」
「入谷柊哉です。よろしくお願いします」
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