【十六夜月のラブレター another side】イケメンエリート営業部員入谷柊哉くんは拗らせすぎてる
女子社員のみんなが弾けるような笑顔で大きな拍手をしてくれる。
その中で、一際無表情で俺を見ているのが彼女だった。
会えた嬉しさが伝わるよう惜しみない笑顔で彼女を見つめる。
でもどれだけ見つめても彼女は俺をぼんやりと見るだけで笑顔を返してはくれなかった。
落ち込むことはない。想定内だ。
昔から彼女は他人に媚びなど売らない孤高女子なのだから。
本当はもっと見つめていたいけれど変に思われないよう、他の女子社員へと笑顔を移した。
午前中は彼女と話す機会はなかったが、デスクでパソコンに向かっている彼女の横顔を時折盗み見た。
ヤバイ、やっていることが中学生の頃と変わってない……。
もうすぐ昼休憩の時間になる。彼女は誰と食事に行くのだろうか?
誘いたいけどさすがにいきなりすぎるか?
しかし午前の業務が終わると彼女はそそくさと、小型のトートバッグを持って一人でフロアを出て行ってしまった。
どこへ行くのだろう?
そっとフロアを出て彼女のあとを追う。
彼女が向かったのはビルの屋上だった。
一人でベンチに座ってトートバッグから取り出した軽い食事を摂りながらスマホと睨めっこしている。
何をそんなに真剣に見ているのだろう?
気付かれないようにそっと彼女の後ろに立つとスマホの画面が見えた。
それは株式投資の口座画面で、彼女の資産は元金からのマイナス額が100万円を超えていた。
画面を見ている彼女がため息を吐く。
「あーあ、かなりの損益抱えてるね」
突然背後から声を掛けられて驚いた彼女が俺を振り返った。
その中で、一際無表情で俺を見ているのが彼女だった。
会えた嬉しさが伝わるよう惜しみない笑顔で彼女を見つめる。
でもどれだけ見つめても彼女は俺をぼんやりと見るだけで笑顔を返してはくれなかった。
落ち込むことはない。想定内だ。
昔から彼女は他人に媚びなど売らない孤高女子なのだから。
本当はもっと見つめていたいけれど変に思われないよう、他の女子社員へと笑顔を移した。
午前中は彼女と話す機会はなかったが、デスクでパソコンに向かっている彼女の横顔を時折盗み見た。
ヤバイ、やっていることが中学生の頃と変わってない……。
もうすぐ昼休憩の時間になる。彼女は誰と食事に行くのだろうか?
誘いたいけどさすがにいきなりすぎるか?
しかし午前の業務が終わると彼女はそそくさと、小型のトートバッグを持って一人でフロアを出て行ってしまった。
どこへ行くのだろう?
そっとフロアを出て彼女のあとを追う。
彼女が向かったのはビルの屋上だった。
一人でベンチに座ってトートバッグから取り出した軽い食事を摂りながらスマホと睨めっこしている。
何をそんなに真剣に見ているのだろう?
気付かれないようにそっと彼女の後ろに立つとスマホの画面が見えた。
それは株式投資の口座画面で、彼女の資産は元金からのマイナス額が100万円を超えていた。
画面を見ている彼女がため息を吐く。
「あーあ、かなりの損益抱えてるね」
突然背後から声を掛けられて驚いた彼女が俺を振り返った。