あいの輪廻

義弟






「……っう…………」



真っ白な空間が暗転して、何も見えなくなってから……



「………ほんとに、また始められたんだ……」



【あいの輪廻】…を。



「………カナタには感謝しないとなあ、」



カナタがいなければ、私は今頃………

ゾク、と悪寒が走る。


怖かった。本当に………。




そう、静かに震えていると





急に、ガチャリとドアが開いた。





「っひ……!?」






「………何、どした?…姉ちゃん」





開いたドアの先には、

さらさらとしたクセのない黒髪マッシュ。
少し釣り上がった目。左目の下には黒子。
いわゆる、塩顔イケメンの部類だろう。


彼の頭の上にはあの好感度メーターが見えた。


つまり、ユイトと同じ攻略対象……


……菜子が話してた…確か、この子は……




「………【ハルキ】 、?」


「…そーだけど。…マジでどうしたんだよ?」




やっぱりそうだ。

この攻略対象の【ハルキ】は……

プレイヤー…つまり私の義弟。
なので、血は繋がっていない。……流石乙女ゲームと言うべきか。血が繋がってはいないといえど、姉弟で恋愛をさせるとは。
……まあ、それは良いとして。
彼は、初めての“姉”――といっても、同世代ではあるけれど――に少しドギマギしているらしく、そこそこツンデレらしい。
なので、他のキャラと比べると比較的好感度が最初から高いそうだ。




「………んだよ、なんもねぇのかよ………」


ハルキはガシガシと頭を掻くと、じっ、と私を見つめた。

……ハルキの好感度は、30………
友達程度、という認識なんだろう。
義姉弟とはそんなものなんだろうか。



「……あ、あはは……ごめん、なんでもないよ」


何故か気まずくなり、目を逸らしてしまう。
設定は義弟だが、私にとっては今初めて会った他人だ。

だから、演技をする……と言っても、接し方が解らない。



「………あっそ。……ユイト来てたけど?」

「………え、?」



ユイト。

私を、殺した、ユイト。

その、ユイト、が

来てる?



「……………うそ」



殺される????
いやでも、記憶は無いんだよね?
でも記憶が残ってたら
また、殺される???

殺 さ れ る ?








????????



「っ、………ひ……っ………………!」

「っ、おい、大丈夫か?」


恐怖でうまく呼吸ができなくなった私を見て、ハルキは私の背中を擦ってくれた。


でも、

それでも



怖い


怖い





怖い … !!







「っ………、ユイトには、先行ってもらうように言うからな、?!」



そう言うと、ハルキは立ち上がって

私の部屋を出ていった。



……ユイトが、いなくなる?





一旦だけれど、とても安心できた。







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