君は俺だけのもの

出会い

昼下がりの大学キャンパス。

構内の噴水広場には、陽射しを浴びてまどろむ学生たちの姿があった。


その片隅にある古びたベンチに、一人の少女が座っていた。

藤宮真央、二年生。

ウェーブのかかった柔らかな栗色の髪に大きな瞳。

いつも浮かべる微笑みは春の陽だまりのように穏やかで、誰もが思わず笑顔になるような空気を纏っていた。

今日もいつものように膝の上で読みかけの小説を開きかけていた。

「おい」

突然の低い声に顔を上げると、そこには一人の長身の男子学生が立っていた。
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