運命に導かれた転生魔女は、呪われた王太子を救いたい
「もちろんですわ。私を頼ってくださいませ。……それはそうとセレナさん、どこかへ行くおつもりでしたの?」
「私は宮殿に戻るところなんです。リディアさんは?」
「まあ、私もですのよ」
「リディアさんも宮殿に?」

 リディアは辺りをきょろきょろと見まわし、第一騎士団の騎士に気づくと、彼に聞かれないように小さな声で話す。

「イザベラのほこらについて調べる許可をいただきに、宮殿へ出向くつもりでしたの」
「イザ……」
「しぃー……ですわ。お父さまにはセレナさんにお会いしてくると言って出てきましたの」

 ほこらは自分も気になって仕方がなかった場所ではあるが、にんまりと微笑むリディアには、感心より先にあきれてしまう。セレナを口実に、本気でほこらの調査を始める気のようだ。

「ほこらはもう、殿下が調べてるんじゃないかしら」

 第一騎士団員がアルヴェインの森へ派遣されたとエマから聞いたのは、数日前のことだったか。

「知ってましてよ。ですから、その調査に私も同行させていただきたいんですの。セレナさんがいれば、殿下もお許し下さるかもしれませんわ。さあ、一緒にいきましょう」

 リディアはセレナの腕に手をからませると、ぐいぐい引っ張りながら歩き出した。
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