離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
 ところが、アリシアはそんな余韻に浸る暇などなかった。
 扉がノックされ、使用人たちが入室すると、彼女たちは笑顔で言い放った。

「さあ、奥様。今日からお忙しいですよ!」

 アリシアは呆気にとられたが、彼女たちは次々と準備に取りかかった。

 まず湯浴みをして、丁寧に洗った髪を綺麗に梳かされた。顔や背中を中心に全身を香油でマッサージされ、爪の先まで艶やかに磨かれた。
 続いて衣装屋が到着し、ずらりと並べられた豪華なドレスの中から試着が始まった。
 やっと一息つけると思ったら、今度は宝石商が到着し、選んだドレスに似合う装飾品がいくつも用意された。

 最終的にはフィリクスと一緒に選ぶようだが、このときすでに日が暮れてアリシアは疲れ果てていた。
 そして夕食のあと、フィリクスとパーティのドレスを選び、アリシアはその夜も寝入った記憶がないほど熟睡した。

 そして、いよいよ王宮へ――。

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