離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
 しばらくすると数人の令嬢がアリシアに声をかけてきた。

「少し、お話ししませんか? 女同士で」
「お茶とお菓子もありますのよ」
「せっかくの機会ですから、侯爵夫人とも交流を持ちたいですわ」

 アリシアは戸惑った。
 こんな場は初めてで緊張するが、女性の知り合いも作りたいというのが本音だ。
 アリシアがフィリクスにちらりと目を向けると、彼は静かに頷いた。

「行ってきていい」
「はい。では、少し失礼します」

 アリシアは令嬢とともに別室へと移動した。
 そこには数人の令嬢たちがすでに着席しており、テーブルには紅茶が淹れられていた。数種類のお菓子やスコーンなどもあり、それぞれがおしゃべりに花を咲かせていた。
 アリシアに気づいた彼女たちは笑顔で迎えてくれた。

「まあ、レオフォード侯爵夫人ですね。はじめまして」

 アリシアは緊張ぎみにぺこりと頭を下げる。

「はじめまして。よろしくお願いいたします」

 すると彼女たちは「気楽にしましょう」と言ってくれたので、アリシアは肩の力を抜いて安堵の表情を浮かべた。

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