離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
 初めて会ったアリシアはまだ14歳。
 しかも小柄で童顔、年齢より幼く見えた。
 まだ社交界デビューもしていない。

 貴族の中には幼い少女を好む者もいるようだが、フィリクスは違った。
 アリシアに対して保護者のような感覚だった。
 ちなみに当時23歳。
 貴族社会では男性20歳、女性17歳が結婚適齢期なので、フィリクスは問題ないが、アリシアはめずらしい例だった。

 幼い少女(のように見える)アリシアとどう接するべきかわからず、フィリクスは使用人たちに彼女の世話を頼み、自身は執務や剣の鍛錬に没頭した。

 しかし、侯爵家の財政難はますます悪化していき、ついに使用人を削らなければならなくなった。
 ある日、アリシアが粗末なドレスを着ているのを見たフィリクスは猛烈な罪悪感に苛まれる。
 彼女に貴族としての十分な待遇を与えてやれない自分に苛立った。

< 11 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop