離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
「そういえば、アリシア様は14でご結婚されたんですよね?」

 とある令嬢のその言葉に、アリシアはどきりとした。
 しかし事実なのでここは素直に頷く。
 すると、それを知らなかった令嬢たちが驚きの声を上げた。

「まあ、そうでしたの? まだ令嬢教育もお済みでないでしょう?」
「貴族学院も出ておられないの?」
「侯爵夫人としてのお仕事も大変でしょう?」

 場の空気が変わったことを、アリシアは嫌でも悟った。
 彼女たちは遠慮なくアリシアに発言する。

「侯爵様とはかなり歳が離れているのではなくて?」
「そんなに年上の方と話が合うものなのかしら?」
「愛情は時間が経てば薄れるものね」

 アリシアはドレスの裾を掴んでぎゅっと唇を引き結ぶ。
 反論しようがない。これまでフィリクスとはほとんど会話もできず、目も合わせない関係だったのだから。
 それでも、今は少しずつ話せるようになってきている。以前とは違うとアリシアも思っている。

「余計なことかもしれないけれど、離婚するなら早い方がいいとわたくしの母が言っておりましたわ」
「そうですわね。子ができてしまっては難しいですもの」

 その言葉に、アリシアは耐えられなくなって声を上げた。

「離婚はしません!」

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