離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
領地の境界近くにある山地で事故があったという。
落石事故だ。崩れ落ちた巨岩の直下にいた馬車が数台、潰されてしまったという。
重傷を負っている者、意識不明の者、そして行方不明の者がいるという。
知らせに来た治安警備隊の者が、アリシアに向かってすっとハンカチを差し出した。
「こちらが事故現場に落ちていたものです。持ち主は侯爵閣下でお間違いないですか?」
それを見たアリシアは、頭が真っ白になって固まった。
恐る恐る震える手でそれを受け取る。
間違いなく、自分が刺繍したあのハンカチだった。
「うそ……そんな……」
胸が締めつけられ、視界が滲んだ。
膝から崩れて倒れそうになったアリシアを、とっさにセインとエレナが支える。
「治療を受けている者の中に侯爵閣下はおりません。しかし、事故から数日は経っている。生存は難しいかと」
声が遠く聞こえる。
(そんなはず、ないわ……だって、旦那様はお戻りになって、大事な話があるって……)
アリシアは震える手でハンカチを見つめながら涙ぐんだ。
セインがエレナに声をかける。
「奥様を別室へ。俺が話を聞いておく」
エレナはこくんと頷いて、アリシアに声をかけた。
「アリシア様、少し休みましょう」
アリシアはふらつきながらエレナに肩を抱かれて部屋を出ていった。
落石事故だ。崩れ落ちた巨岩の直下にいた馬車が数台、潰されてしまったという。
重傷を負っている者、意識不明の者、そして行方不明の者がいるという。
知らせに来た治安警備隊の者が、アリシアに向かってすっとハンカチを差し出した。
「こちらが事故現場に落ちていたものです。持ち主は侯爵閣下でお間違いないですか?」
それを見たアリシアは、頭が真っ白になって固まった。
恐る恐る震える手でそれを受け取る。
間違いなく、自分が刺繍したあのハンカチだった。
「うそ……そんな……」
胸が締めつけられ、視界が滲んだ。
膝から崩れて倒れそうになったアリシアを、とっさにセインとエレナが支える。
「治療を受けている者の中に侯爵閣下はおりません。しかし、事故から数日は経っている。生存は難しいかと」
声が遠く聞こえる。
(そんなはず、ないわ……だって、旦那様はお戻りになって、大事な話があるって……)
アリシアは震える手でハンカチを見つめながら涙ぐんだ。
セインがエレナに声をかける。
「奥様を別室へ。俺が話を聞いておく」
エレナはこくんと頷いて、アリシアに声をかけた。
「アリシア様、少し休みましょう」
アリシアはふらつきながらエレナに肩を抱かれて部屋を出ていった。