離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
 遠征から帰還し、やることは山積みだった。
 アリシアはおろか、まともに誰かと話す時間もなく仕事をこなさなければならなかった。

 王宮への報告書や領地の問題、貴族間のトラブル対応、財政管理など2年分の整理もあった。
 領境で頻繁に起こる夜盗襲撃の件も調査していたが、ちょうどあの食事のときに連絡が入り、急ぎ対応のため出かけたのだった。

 これまで放置してきた領地を立て直さなければならない。
 フィリクスはそれに集中するあまりアリシアのことは後回しになった。

「……いや、違うな」

 今さらアリシアとどう接したらいいかわからなかった。

 これは自分が蒔いた種だ。
 どうにかしなければならない。
 今さら遅いかもしれない。

 そんな焦りを感じながらフィリクスはどうにか挽回するために動くことにした。

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