離婚を切りだしたら無口な旦那様がしゃべるようになりました
「な、なんだ? いきなり……わしとアリシアのあいだに入ってくるな」
「これは失礼いたしました。ですが、アリシア様は可憐な乙女でございますので、気軽に触れられると壊れてしまいますわ」
すると、伯爵は顔を真っ赤にして憤慨した。
「なっ……わしは花嫁の夫となるのだぞ!」
「ええ。ですから、その日までは静かにそっとしておかなければならないのです。素晴らしい挙式のために」
すらすらとそんなことを言うエレナに、アリシアは呆気にとられる。
しかし伯爵は急に態度を変え、だらしなく口角を上げた。
「す、素晴らしき……挙式っ……!」
「花嫁がもっとも美しい日ですわ」
「……ま、まあいいだろう。興は楽しみにとっておくほど、味わいがあるというものだ」
伯爵は指をくわえて、にたりと笑う。
アリシアは目を背け、エレナは笑顔を崩さなかった。
伯爵は手癖の悪い人物だと有名だが、これでとりあえず結婚式まではアリシアに近づいてこないだろう。
それから先のことは想像もできない。
しかし、アリシアは一切希望を捨てていなかった。
「これは失礼いたしました。ですが、アリシア様は可憐な乙女でございますので、気軽に触れられると壊れてしまいますわ」
すると、伯爵は顔を真っ赤にして憤慨した。
「なっ……わしは花嫁の夫となるのだぞ!」
「ええ。ですから、その日までは静かにそっとしておかなければならないのです。素晴らしい挙式のために」
すらすらとそんなことを言うエレナに、アリシアは呆気にとられる。
しかし伯爵は急に態度を変え、だらしなく口角を上げた。
「す、素晴らしき……挙式っ……!」
「花嫁がもっとも美しい日ですわ」
「……ま、まあいいだろう。興は楽しみにとっておくほど、味わいがあるというものだ」
伯爵は指をくわえて、にたりと笑う。
アリシアは目を背け、エレナは笑顔を崩さなかった。
伯爵は手癖の悪い人物だと有名だが、これでとりあえず結婚式まではアリシアに近づいてこないだろう。
それから先のことは想像もできない。
しかし、アリシアは一切希望を捨てていなかった。